建物管理の感染症対策
植栽帯、草地、藪に入る作業では、マダニに咬まれる可能性を作業計画に含めます。マダニは室内で問題になるチリダニなどとは異なり、病原体を保有する個体の吸血によりSFTSや日本紅斑熱などを媒介することがあります。
病気の名前より先に、曝露を減らす
SFTSは重症熱性血小板減少症候群の略称です。主な感染経路は、ウイルスを保有するマダニの吸血ですが、感染した動物の体液との接触による感染も報告されています。建物周辺で病気の動物を見つけても、清掃担当者が素手で保護・処置しないことが大切です。
患者の発生情報がない地域でも、マダニ対策を省略する根拠にはなりません。一方、すべてのマダニが病原体を持つわけではありません。虫の発見、刺咬、感染の診断を区別して記録します。
作業前・作業中・作業後の確認
- 除草・落ち葉回収・植栽剪定の前に、草地へ入る範囲と休憩場所を確認する。
- 長袖、長ズボン、長靴等で肌の露出を減らし、袖口や裾からの侵入を防ぐ。
- 虫よけ剤は対象や使用方法を確認し、製品表示に従う。
- 草の上へ直接座らず、脱いだ上着や荷物を草地に置きっぱなしにしない。
- 作業後は衣服と身体を確認する。入浴時には脇、足の付け根など見落としやすい部位にも注意する。
吸血中のマダニは無理に引き抜かない
皮膚に食い込んだマダニを見つけたときは、無理に取ったり、つぶしたりせず、皮膚科等の医療機関で処置を受けます。口器が残ることや、マダニの体液が逆流することを避ける必要があります。
咬まれた後に発熱、強いだるさ、下痢・嘔吐等が現れたら、速やかに医療機関へ相談し、作業した日時・場所、マダニへの接触を伝えます。清掃現場で病名を判断せず、受診につながる情報を残します。
動物への対応も管理手順に含める
体調不良や死亡した動物は、管理者を通して自治体や動物の専門窓口へ相談します。咬傷や体液への接触があった場合は、直ちに報告し医療機関等へ相談します。作業記録には接触した部位、防護具、洗浄等の初動を記載し、利用者の個人情報は必要な範囲で管理します。