建物管理の感染症対策
ねずみの衛生管理では、捕獲数だけを成果にしないことが重要です。餌、水、隠れ場所、侵入経路を調べ、尿やふんによる汚染を広げずに処理します。電線や配管の損傷、漏水、食品保管など、設備と日常清掃の情報を結び付けます。
レプトスピラ症は汚染水・土壌への接触にも注意
病原性レプトスピラを保有するねずみなどの尿で汚染された水や土壌が、傷や粘膜に触れることで感染する場合があります。汚染された飲食物を介した感染もあります。ねずみを直接触っていなくても、汚染された環境への接触が問題になります。
地下や外構の汚水、浸水後の泥を扱う作業では、ねずみの痕跡も確認します。ただし、すべての汚水をレプトスピラに汚染されていると断定してはいけません。作業環境に応じて防水性の手袋、長靴、必要な保護具を選び、傷がある場合は作業方法を見直します。
侵入経路と生活条件を点検する
- 扉下部、シャッター、配管貫通部、換気口、排水設備の隙間や破損を確認する。
- ふん、かじり跡、足跡、油状のこすれ跡、物音、食品の被害を場所別に記録する。
- 生ごみを密閉し、保管庫の床や隅の残渣、こぼれた食品、水漏れを除去する。
- 資材や段ボールの長期放置を減らし、壁際や設備下を点検できる空間を確保する。
- 封鎖工事は生息状況を確認し、防除と組み合わせる。単に穴を塞ぐだけで終わらせない。
汚染を広げない清掃と防除
ふん尿や死骸を素手で扱わず、回収物と汚染した用具を区分します。乾燥した汚れを不用意に飛散させない方法を選び、作業後の手洗いと用具の洗浄・保管を徹底します。食品や調理器具への接触が疑われる場合は食品衛生の担当者と対応を決めます。
殺そ剤は、誤食や持ち出しによる二次的な被害を防ぐ配置と管理が必要です。使用の適否や製品表示を確認し、必要に応じて専門業者へ依頼します。捕獲・薬剤処置の後も再侵入の有無を確認します。
接触後の体調変化は作業歴とともに相談する
汚染水や土壌に触れた後の発熱、筋肉痛等で受診するときは、作業内容と日時を医師へ伝えます。咬まれた場合は傷を洗い、医療機関へ相談します。管理者は、健康被害の有無と環境改善の記録を分け、必要に応じて保健所の環境衛生・感染症担当へ相談します。