建物管理の感染症対策
トイレやごみ置場、植栽帯で注射針や血液の付いた物を見つけることがあります。B型肝炎、C型肝炎、HIVなどの血液を介する感染症は、血液が付いているという事実だけで感染が成立するものではありません。一方、針刺しや粘膜への飛散は、速やかな評価が必要な事故です。
発見した針を、通常のごみとして扱わない
鋭利物を見つけたら作業を止め、踏む・握るなどの接触を防ぎ、施設責任者へ連絡します。清掃担当者の役割は、決められた訓練と装備の範囲で対応することです。処理方法が未設定の現場で、その場の工夫によって回収を始めないようにします。
- 素手で拾わない。薄い手袋を着けただけで安全と考えない。
- 針のキャップを戻す、折る、曲げる、注射器から外す行為をしない。
- ごみ袋を手で押しつぶしたり、見えない内容物を手探りしたりしない。
- 回収は施設の指定容器と手順に従い、容器の上限線を超えない。
血液清掃と鋭利物回収を、分けて考える
血液が付着した場所では、まず隠れた針や破片の有無を確認します。訓練した担当者が、接触や飛沫の見込みに合った防護具を使い、汚れの除去と消毒を行います。薬剤をまけば、針刺しの危険までなくなるわけではありません。
回収物の廃棄区分は、発生場所や性状によって異なります。医療施設では施設の廃棄物担当者へ、住宅や一般施設では自治体等の案内へつなぎ、普通ごみに混ぜない方法を確認します。
刺した・切った・目に入った時は、すぐ相談する
針刺しや切創部は石けんと流水で洗い、目に入った場合は清潔な水等で十分に洗い流します。直ちに上司へ報告し、医療機関で評価を受けてください。症状がないことや、針が古く見えることを理由に、受診の要否を自己判断しないことが重要です。
- 事故時刻、場所、物の種類、接触部位、行った洗浄を伝える。
- 医療上の判断に必要な情報を整理し、事故調査の完了を待たず受診につなぐ。
- 病原体検査や予防的処置の要否は、医療職の判断を受ける。
再発を防ぐための確認
現場の運用例として、事故時に受診できる医療機関、夜間の連絡順、鋭利物の専用回収担当を事前に決めます。事故後は個人を責めるだけで終えず、分別表示、容器配置、回収動線、照度、ごみ袋の扱いを見直します。
現場の運用例として、便器の裏や植栽など見通しの悪い場所は照明を確保し、道具を入れる前に目視で確認します。拾得物を写真に残す際も、撮影のために針へ近づいたり手で持ち上げたりしないようにします。