2026.11.06 業界・建物管理
兵庫県は2026年10月15日、南海トラフ巨大地震による津波浸水想定の見直しを公表しました。西宮市は10月19日、この変更が市内に与える影響と、ハザードマップの今後の更新方針を説明しています。建物所有者・管理者にとっては、施設の立地と避難計画を点検するための基礎資料です。
西宮市が示した主な変更
- 浸水想定区域:911haから796haへ、115ha縮小。鳴尾地域の国道43号以北を中心に縮小しましたが、場所によって浸水範囲・浸水深は変わります。
- 最高津波水位:3.7mから3.5mへ。これは最新の標高を反映した数値であり、「津波そのものが低くなった」という意味ではありません。
- 最短到達時間:112分から111分へ。1m水位上昇までの算定基準を見直した結果であり、建物ごとの避難猶予時間を保証する値ではありません。
市の説明によると、見直しの基となった国の想定は地震規模Mw9.1であり、今回の公表は地震の発生時期を予測したものではありません。浸水想定が縮小した地域でも、避難の備えが不要になったと判断しないでください。
ハザードマップは今後更新予定
兵庫県は今後、津波災害警戒区域を指定し、建物に当たった津波のせり上がりの影響を含む「基準水位」を公表する予定です。西宮市はその後、津波ハザードマップを更新する方針です。県の警戒区域指定は2027年3月頃が予定されていますが、確定済みの指定日ではありません。
新しい市のハザードマップが完成するまでは、現行ハザードマップに基づく避難行動を続けるよう西宮市は案内しています。数値の変更だけで管理物件の避難場所・避難経路を一律に変更しないことが重要です。
管理者・施設担当者の確認事項
管理対象の住所・敷地がどの区域に該当するか、既存の避難先と経路、施設内の誘導担当者・連絡手段を確認します。津波を想定した避難では、施設の所在区域や建物構造等に応じて水平避難・堅牢な建物の3階以上への垂直避難・自宅等待避を区別します。一般的な数値だけで個別物件の安全性を判定しないでください。
見解
今回の見直しは「区域が縮小した」という印象だけで扱うのではなく、物件単位の所在地照合と、改定後の基準水位・ハザードマップの発表を継続確認する契機とすることが実務的です。ここでの提案は施設管理上の整理であり、行政機関の見解や個別物件の安全判定を代弁するものではありません。
一次資料
西宮市「南海トラフ巨大地震による津波浸水想定の見直しについて」(2026年10月19日更新)
西宮市「津波から命を守るために適切な避難方法を自ら考えよう!」
資料確認日:2026年11月2日。最新の指定区域・ハザードマップは、必ず西宮市・兵庫県の公式発表で確認してください。