2026.11.05 衛生・安全情報
全国ビルメンテナンス協会は2026年11月4日、病院清掃従事者研修の第9回について案内を公表しました。感染に関する知識、区域ごとの清掃、安全衛生などを学ぶ研修です。[1]
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病院清掃で確認したいのは、見た目の仕上がりだけでなく、施設が定める感染対策と清掃の手順が一致しているかです。研修の案内をきっかけに、病院側の担当者と清掃側の責任者が現場の取り決めを確認するための論点を整理します。
公表資料で確認できる基本
厚生労働省が掲載する業務委託の通知の「施設の清掃の業務」では、医療機関の指示と契約に対応した作業計画、清掃用具・薬液の適切な使用管理、医療機関側と受託者側の責任者の連携が示されています。清掃用具を区域ごとに区別することが望ましいとされ、消毒用のタオルやモップ等は清掃用と区別して扱うことも示されています。[2]
また、院内感染対策の通知では、環境整備の基本を清掃とし、一律に広範囲の環境消毒を行うのではなく、汚染状況や接触頻度等に応じた対応を示しています。[3]
以下はこれらの資料を踏まえた現場での確認例です。研修案内そのものが新しい法的義務を設けたという意味ではなく、個別の手順・薬剤・保護具は施設の感染対策担当者と確認します。
1.区域と作業動線を共有する
外来、病棟、トイレ、処置を行う場所などについて、作業範囲と順序、立入り前の連絡先、例外時の対応が共有されているかを確認します。区域の呼び名だけを覚えるのではなく、「どの場所で何を使い、どこへ戻すか」まで手順として確認することが大切です。
2.資機材の使用・回収・保管まで決める
モップ、クロス、清掃カートなどについて、使用する区域、交換するタイミング、使用済み品の回収先、再使用前の処理と保管場所を確認します。色分けを採用する場合も、色の意味は施設内の取り決めとして統一し、色だけで安全が保証されると考えないことが重要です。
3.清掃と消毒を同じ作業として扱わない
何を除去し、どの場面で消毒を行うかを、施設の手順に沿って分けて確認します。洗剤・消毒薬は、対象箇所と材質、製品の使用条件を踏まえて選び、作業者の判断だけで種類や濃度を変えないようにします。本記事は一律の薬剤・濃度・処理時間を指定するものではありません。
4.指示の窓口と変更時の連絡を明確にする
病院側の業務責任者と清掃側の受託責任者を通じて、作業変更を誰に、どの方法で伝えるかを決めます。現場ごとに異なる指示が重なったときは、作業者個人の判断に任せず、責任者間で整理します。血液・体液の汚染や鋭利物など、通常清掃の範囲では対応を決められない事象についても、あらかじめ連絡先と施設所定の対応手順を確認します。
教育は「受講した」から「同じ手順でできる」へ
教育後は、区域ごとの資機材、作業の順序、作業を中断して連絡する場面を、現場の図面や手順書で確認する方法が考えられます。応援者や新しい担当者にも同じ情報が渡っているか、手順が変わった際に記録を更新しているかまで確認すると、教育と日常業務を結び付けやすくなります。
参考:病院清掃従事者研修・第9回
協会の案内では、申込期間は2026年11月9日(月)~11月24日(火)、受講期間は12月1日(火)~12月31日(木)です。オンライン形式の研修で、詳細な申込条件・受講料・変更事項は公式案内を確認してください。[1・4]
この研修は「病院清掃受託責任者講習」とは別です。従事者研修の受講だけで受託責任者の要件を満たすと判断せず、必要な役割・要件をそれぞれ確認します。
見解
病院清掃の教育は、資機材の扱いを覚えるだけでなく、病院側の方針と清掃側の作業を一致させるためのものと考えます。清掃担当者だけで感染対策を決めるのではなく、施設と責任者同士で確認し、作業者が迷わない手順にすることが、継続した品質管理につながります。
上記の確認例と見解は、公表資料に基づく実務上の整理であり、行政・協会の見解を代弁するものではありません。個別施設の感染対策マニュアルや専門職の判断に代わるものでもありません。
出典・関連資料
[1]全国ビルメンテナンス協会「病院清掃従事者研修」第9回の案内(2026年11月4日)
[2]厚生労働省「病院、診療所等の業務委託について」の一部改正について(2025年2月7日掲載通知・第九「施設の清掃の業務」)
[3]厚生労働省「医療機関における院内感染対策について」(2014年12月19日・環境整備等)
[4]全国ビルメンテナンス協会「病院清掃受託責任者/従事者研修」
資料確認日:2026年11月5日。研修情報と、実務の背景として参照した既存の通知を区別して掲載しています。